設備工事とはどんな仕事?魅力や役立つ資格を紹介
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設備工事とはどんな仕事?魅力や役立つ資格を紹介

2023年6月15日

建物の工事と聞くと、外装や内装などを想像する方も多いのではないでしょうか。しかし、建物の空間を快適に保つためには「設備」が非常に重要で、そのためにも設備工事は必要不可欠になります。そこで今回は「設備工事」をテーマに、仕事の内容や魅力、役立つ資格などを徹底解説します。建設業界や設備工事の仕事に興味がある方は最後までご覧ください。

 


 

設備工事とは

設備工事とは、主に建物の電気、ガス、通信、防災・消火といった設備をつくる仕事です。一般的には、建設工事と同じように建物の骨組みが完成した後に、設備工事が行われます。つまり、建物の基礎や構造ができたあとに、建物を使用するために必要な電気や水道、空調などの設備を取り付ける作業を行います。

設備の配管や機材は天井や壁に隠れてしまうため、工事後の様子を日常的に目にすることはありませんが、日々の生活を送るうえで重要な工程になります。例えば、生活に必要な冷暖房機器や水道・電気などは、工事が無事行われているからこそ使える設備です。
また、設備工事は、建物の寿命を左右する要素の一つでもあります。必要な設備が整った建物は痛みにくくなり、メンテナンスコストを抑えながら長く使うことができます。そのため、設計者や施工者は長期的な視点を交えて計画し、専門的な知識や技術力が必要とされます。

将来性

建設業の中でも設備工事は、重要なポジションになります。現代社会では様々な場所で設備工事が必要とされており、一般住宅やオフィス、商業施設、工場、病院、学校など、需要は多岐にわたります。そのため、設備工事に携わる人材の需要が高まっていると言えるでしょう。
また、設備工事は「施工規模が幅広い」ので、一般住宅から大規模なビルまで様々な現場で経験を積むことができ、所属する企業によっても内容が異なります。大手ゼネコンや設備工事専門企業、住宅メーカーの設備工事部署など、様々な企業で設備工事を行うことができます。
しかし、設備工事は体力仕事であり、職人の方々は技術に加え、機械や工具を扱うための知識が必要です。ただし、現場に出るのが難しくなった場合でも、社内での事務作業や統括のポジションに異動が可能な会社も多く、業界としては長く働ける環境と言えるでしょう。

 

きついという噂は本当?

設備工事の現場は体力を使うことが多く、作業員にとってはきついと感じることもあるかもしれません。例えば、空調設備工事の場合は、脚立や足場での高所作業が発生することもあり、体を動かすことがほとんどです。また、夜間作業がある場合もありますので、生活リズムを整えるまでには時間がかかる方もいるでしょう。
しかし、設備工事には施工管理やチームの統括業務などもあり、デスクワークができるポジションもありますので、自分に合った働き方を選ぶことができます。設備工事の現場仕事は体力を使いますが、自分の理想の働き方に合わせてポジションを選び、自分のスキルや経験、生活に合った働き方を探してみましょう。

 

設備工事の仕事の種類

続いて、設備工事の種類について紹介します。

電気設備工事

「電気設備工事」は、建物内の照明や電力などの配置、配線に関する工事を指します。電力会社から送られてきた電気を引き込み、安定的な供給が行えるような設備を導入したり、建物の電灯や照明、コンセントの設置を行います。使用量メーターや分電盤、各部屋へのコンセントの配置のほか、電力供給の申請を行い安全に通電できるように整えることも必要です。なお、これらの作業は「電気工事士」という国家資格を保有している人にしか行うことができません。

 

電気通信工事

「電気通信工事」は、インターネット回線や電話回線などの通信にかかわる設備を導入する際に必要とされる工事を指します。前述した電気設備工事とは扱う電力に差があり、「情報伝達のために電力を要する設備」に対して行われるものという違いがあります。具体的には、電話・テレビ・インターネット・放送設備などがこれに該当します。

 

管工事

「管工事」は、空調や上下水道、ガスなどの設備に関する工事を指します。コンロや給湯器などのガスを利用する設備に必要不可欠な「ガス配管」や、キッチン、トイレ、お風呂などの水回りの設置に欠かせない「水道配管」、さらに、飲食店や商業施設などに多く設置されている空気の循環を良くするための「ダクト配管」などがあります。
どの工事も不備があると、漏水やガス漏れなど事故の確率が高まるため、正しい施工方法で適切に行うことが重要です。とくに、ガス配管などの施工は安全性に関わるため、細心の注意が必要です。そのため、施工前には設計段階からの検証も必要となります。

 

機械器具設置工事

「機械器具設置工事」は、エレベーターやサイロ、立体駐車場、舞台装置、プラントなどの設置を行う工事を指します。この工事は、建設現場での機械器具の組立てや、既存の工作物に機械器具を取り付ける作業を含み、建設業許可では「機械器具の組立等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事」とされています。
この工事は、すでに完成している機械や器具を設置する場合は含まれず、現場で組み立てが必要な工事になります。そのため大がかりな作業が多く、多くの作業員や専門的な機材を必要とする場合があります。

 

設備工事の魅力

続いて、設備工事の3つの魅力について紹介します。

常に必要とされている

建物には水道や空調などの設備が必要不可欠であり、設備が不十分な建物はありません。つまり、設備工事は常に需要がある仕事と言えるでしょう。閑散期があったとしても仕事がなくなるという心配が少なく、安定した収入を得ることができます。

 

日々の暮らしにも役立つ

設備工事における水道や空調は生活のインフラの一部であり、快適な生活を送るために必要です。仕事の知識が自分自身の生活にも役立つことも多々あるでしょう。また、自分が設置した水道や空調が多くの人々の快適な生活を支えるため、やりがいも感じられる仕事です。

 

手に職をつけられる

設備工事は需要がある仕事であるため、業界的に安定している仕事であると言えます。また、技術や知識を身につけることができ、将来的には転職や独立して仕事をすることも可能です。自分のスキルを高めることで、より高収入を得ることもできるでしょう。

 

設備工事に役立つ資格

最後に、設備工事に役立つ資格を紹介します。

電気工事士

電気工事士とは、建物や施設の電気設備を取り扱う資格を持った技術者のことを指します。一般的には、建築物や家庭の電気工事を専門としており、電気工事における安全性や品質を保証する役割を担っています。
電気工事士には、一般用電気工事士、特別高圧電気工事士、第一種電気工事士、第二種電気工事士の4つの種類があります。それぞれ、電気工事の規模や電圧の範囲に応じて資格が異なります。

 

ガス主任技術者

ガス主任技術者とは、ガス設備の管理や運営において、安全性や適正な使用に関する知識や技術を持つ資格を持った技術者のことを指します。国家資格の1つであり、一般的には、1級・2級・3級の3つの資格があります。それぞれ、ガス設備の規模や種類に応じて資格が異なります。

 

施工管理技士

施工管理技士とは、建設工事の現場で施工の進行状況を管理し、品質・安全・工程・費用などを調整・管理する役割を担う資格を持った技術者のことを指します。建設業界における重要なポジションの1つであり、建設工事の品質・スピード・コストを担保する役割を担っています。
施工管理技士は国家資格で、1級と2級があります。1級は大規模な建設工事の管理に必要とされ、2級は小規模な建設工事の管理に必要とされます。

 

まとめ

設備工事は、建物の電気、ガス、通信、防災・消火といった設備をつくる仕事で、多くの需要が見込まれる仕事です。資格を取得し経験を重ねると、さまざまな業界で活躍できるので、機械やものづくりが好きな方にオススメです。

 


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