未経験でも施工管理になれる?仕事内容や向いている人、やりがいについて解説
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未経験でも施工管理になれる?仕事内容や向いている人、やりがいについて解説

2022年5月18日

建設現場を指揮する施工管理は、専門的な知識はもちろんのこと、経験に基づく判断力も重要です。そのため、施工管理に転職するためには「実績が必要」と考えている方も多いかもしれません。
しかし現在、建設業では人手不足の問題を抱えており、積極的に募集を行っています。実は未経験者を「施工管理補助」として採用している企業も多くあるのです。
そこで今回は「施工管理補助」をテーマに、未経験者の方でも施工管理になる方法を紹介します。施工管理の仕事内容についても紹介しているので、合わせてご確認ください。

 


 

施工管理とは?

そもそも「施工管理」とは、建設現場の監督を指します。建設現場には作業員が毎日出入りしており、そのメンバーを束ねるのが施工管理の仕事です。
建設工事では通常、左官工事や木工事など様々な工種に分かれています。実際の工事では、これら複数の工種の工程を考え、同時並行で工事を進めなければなりません。しかしタイミングを考えずに作業員を呼んでしまうと、効率的に作業が行えず時間のロスが生じてしまいます。ときには危険作業が発生し、作業員が怪我をするかもしれません。
つまり施工管理は、工事全体の流れを読み、的確な指示が求められる仕事になります。工事全体の流れを読むためには、知識や経験が重要です。そのため即戦力を求めている企業の場合、経験が必要なケースもあるでしょう。
とはいうものの、施工管理の仕事は「工程管理」だけではありません。職人の健康管理や安全な現場状況の整備、さらには工事書類の作成など細かい仕事もたくさんあります。そのため最近は「施工管理補助」として、未経験者を採用する企業が増えてきました。社内研修を通して現場知識を教えている企業もあるので、知識のない方でも挑戦できる環境が増えつつあります。

 

施工管理の仕事内容

施工管理の仕事内容は、現場管理から書類作成まで多岐に渡ります。
そこでまずは施工管理の仕事内容について説明していきます。施工管理の主な仕事は、下記の4つになります。

  • 工程管理:工事スケジュールの調整、詳細工程の検討
  • 品質管理:完成物の仕上がりチェック、是正の指示など
  • 安全管理:職人の健康管理や、安全な現場状況の整備
  • 原価管理:下請け業者に支払うお金の管理 など

 

工程管理

一つ目は「工程管理」です。引き渡し日から逆算し、各工種の工事計画を組みます。
建設工事には様々な取り合いがあり、工程に漏れがあると仕上がりに大きく影響します。そのため工程表の作成は正管理者にまかせて、施工管理補助の方は「調整業務」を担当するとよいでしょう。
各業者との日程調整や作業前後の搬出入の段取りは、工事において重要であるものの難しい仕事ではありません。未経験から始める場合は、まずは施工管理者のサポートを中心に行いましょう。

 

品質管理

二つ目は「品質管理」です。建設現場では完成物のチェックや是正指示は経験値が必要で、難易度の高い仕事になります。そのため施工管理補助の方はまず「現場の写真撮影」から担当し、工事記録の作成を行いましょう。使用材料の規格や品番、施工方法、隠蔽物などの写真は、施工中の重要な資料になります。
また、撮影をこまめに行うことで施工管理者としての目が養われていきます。「どんな状況を写真に収めた方が良いのか」を考えて、現場に参加するようにしましょう。

 

安全管理

三つ目は「安全管理」です。職人の健康管理や現場の整備などを行います。多くの現場では朝礼前に職人の体調確認を行っています。発熱や倦怠感など体調不良の人がいないかを確認し、書類にまとめるようにしましょう。
また、「現場の整備」も施工管理補助の主な仕事です。使いっぱなしの工具や資材は片付けるように、現場で呼びかけるようにしましょう。

 

原価管理

四つ目は「原価管理」です。原価管理は企業の利益に直結する重要な部分です。そのため未経験の方がすぐに担当することはほとんどありませんが、メンテナンス工事などの小工事の場合は担当することもあるでしょう。先輩や上司に相談して、適切な価格を確認することが大切です。

 

施工管理に向いている人

施工管理は、コミュニケーション能力や判断力など、様々なスキルが必要な仕事です。そこで以下では、施工管理に向いている人の5つの特徴を紹介します。

他人の意見を聞き入れることができる人

工事現場は、様々な職人さんの知恵と技術を借りて作り上げるものです。だからこそ、職人さんや協力会社の意見を聞き、それを踏まえた上で適切な決断ができる人が向いています。
ただし、極端に周囲に流されてしまうと、そのしわ寄せが現場で起きてしまいます。現場の責任者はあくまでも施工管理者であるからこそ、自分の考えをもった上で他人の意見を聞き入れることが大切になります。

 

コミュニケーションが好きな人

施工管理は、たくさんの人との交流がある仕事です。クライアントや社内メンバー、設計者や協力会社など、いろんな人との関わりがあります。その中でも設計事務所や協力会社とは密なやりとりが必要で、ていねいにコミュニケーションができると現場が円滑に進められます。
職人さんの中には会話が苦手で寡黙な方も多いので、自分から積極的に交流できる人は施工管理に向いています。コミュニケーションスキルは、施工管理の中でも重要な要素と言えるでしょう。

 

体力に自信がある人

施工管理は現場を指揮する人なので、実際に自ら手を動かすことはありません。とはいうものの、現場に常駐しなければいけないのである程度の体力は必要です。
冬の建設は体が冷えますし、夏の現場は暑く熱中症の危険もあります。ふだんから体調管理ができていて、体力に自信のある方にはオススメの仕事です。

 

臨機応変に対応ができる人

建設現場では、毎日のようにトラブルが生じます。大きなものから小さなものまでトラブルの内容は様々ですが、大切なのは臨機応変な対応です。予定不調和の事態が起きても、小さな問題であれば別の方法を考えて続行することが求められます。
その一方で大きなトラブルの火種であれば、いますぐ中止し解決策を練り直さなければいけません。焦って安易な判断をせずに、冷静に物事を見極める力が必要であると言えるでしょう。

 

いつも明るく笑顔な人

現場が佳境になると、空気がピリつき険悪なムードになることもあります。そんなときに明るく笑顔な監督が現場にいると、その空気も和らぐでしょう。
施工管理は現場の雰囲気を左右する重要な役割です。だからこそいつも明るい雰囲気で居ることのできる人は、施工管理に向いている人といえます。焦ったときこそ笑顔でいられる施工管理者は、周囲からの信頼も厚いでしょう。

 

施工管理のやりがい

施工管理と聞くと「力仕事」「重労働」「男社会」というように、少し特殊な環境を想像する人も多いかもしれません。その一方で「施工管理」だからこそ得られるやりがいもたくさんあります。
そこで以下では、施工管理のやりがいについて3つのポイントを紹介します。

全てが完成したときの「達成感」が味わえる

施工管理の仕事は、図面に書かれている内容を具現化することです。つまり、数枚の紙に書かれた情報を形にしていきます。何もないところから何かをつくるためには、材料・施工方法・制作会社など様々なことを検討しなければなりません。難易度の高い仕事であれば何度も挑戦し、失敗を繰り返すこともあるかもしれません。
このようなプロセスを経て、実際の制作物が完成した時は大きな達成感が得られるはずです。ゼロから何かをつくりあげることは大変な作業ですが、きっとその工程を乗り越えた先には施工管理としてのやりがいを感じられるでしょう。

 

自分で考えたデザインが形になる楽しさが味わえる

建設現場では、1mmの誤差も命取りになります。だからこそ設計図面に書かれている情報を疑い、ズレや問題を検証しなければなりません。
また、施工管理として経験を積んでいくと、自ら施工図を書き、制作物を発注することも増えていきます。寸法や使用する金具、収まりなどを検討した制作物が形になると、嬉しさや楽しさを感じられるでしょう。
制作の過程を確認できるのは施工管理の特権と言っても過言ではありません。自分で図面を書いて発注することはやはり緊張感がありますが、その分感動も大きいでしょう。

 

常に新鮮な気持ちで仕事ができる

似たようなデザインを再現するときでも、まったく同じ現場は存在しません。工事条件や施工面積の違い、担当する職人さんや関係者も異なります。施工管理の仕事は担当する物件によってチームが変わるので、いつも刺激が得られる環境に身を置くことができるでしょう。
同じメンバーと同じことをしているとマンネリ化してしまい、成長を感じられない人も少なくないはずです。施工管理であれば物件ごとにメンバーが変わるので、新鮮な気持ちで仕事ができます。常に刺激を求めている方や変化を楽しめる方はやりがいを感じられるでしょう。

 

施工管理は未経験からでも挑戦できる

施工管理は知識と経験が必要な仕事ですが、未経験者でも転職できる仕事です。最近では未経験者を歓迎している企業も多く、業界知識がない方でも働きやすい環境と言えるでしょう。
また、男女問わず募集をしており、女性の監督者も年々増えています。「施工管理として働けるのか」と不安がある方は、業界経験者に一度話を聞いてみることもオススメです。

 


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