2021年1月22日
現場監督の仕事は「体力勝負」。ただ現場を見ているだけでは現場監督はつとまりません。職人さんと同じように日々様々な業務に携わり、時には自分も手を動かしながら現場の推進をすることが重要になります。
しかし、建設業界の現場では常に危険と隣り合わせで、火気やその他危険物を使った作業は日常茶飯事です。だからこそ自身の体を守る装備は非常に重要であるため、現場監督者にとって道具は「相棒」と言えるでしょう。
物によっては、作業効率を向上させ、使用するだけで今までの仕事の煩わしさを減らす効果のあるアイテムが多数あります。
そこで当記事では、現場監督の仕事において役立つアイテムをご紹介します。
現場監督とは、主に建築や土木の施工現場を管理する人のことを指します。その現場監督には下記の5大項目の管理が任されています。
▪ 工程管理:現場の全体スケジュールや人員配置の管理
▪ 品質管理:使用する材料や材料を組み立てる際の施工法などの管理
▪ 安全管理:現場で働く職人さんの健康管理や現場推進上の危険作業に対する管理
▪ 原価管理:材料費や作業をお願いする企業に対する支払い管理
▪ 環境管理:建設現場の周辺環境や職場環境などの管理
これらの仕事を行う現場監督者は、それぞれの管理項目を行う際に適切な道具や装備が必要となります。特に、品質管理や安全管理は作業中に行う管理事項であるため、事故が起こらないようにどの企業でも徹底した装備が求められるでしょう。
そのため現場で使う道具は値段やデザインで決めるのではなく、機能や品質で購入することをおすすめします。
現場で役立つ便利グッズについて、主に以下3つのポイントよりご紹介します。
▪ 現場監督が身に着ける基本装備
▪ 体の負担を軽減させる便利アイテム
▪ 作業の効率をアップさせてくれる便利アイテム
まずは現場監督として必須となる基本装備アイテムをご紹介します。
搬出入作業や資材を触る際に使用します。軍手のようなタイプも役立ちますが、滑り止め付きの方が快適に作業できます。
中にはスマートフォン対応のものもあるので、自分に合った物を探してみましょう。
高所作業の際に必須のアイテムです。建設業では高さ5m以上の作業時にはフルハーネス型の安全帯着用が義務付けられており、高さ5m未満の場合でもフルハーネス型・胴ベルト型どちらかの安全帯の着用が必須となっています。
建設業の事故の中で最も多いのが、墜落や転落です。少々値段がかかりますが、命を守る道具として、慎重に選びましょう。
ヘルメットを購入する際は必ずJIS規格の物を選ぶようにしましょう。また、安全靴は2〜3足あるとメンテナンスがしやすくて便利です。
現場で持ち歩く道具をしまう袋に最適です。サイズや形のバリエーションが多いので、自分の持ち物の量に合わせて選ぶと良いでしょう。
寸法を測るときに使用するメジャーは重要アイテムです。テープの素材はスチールやアルミなどがあり、長さも5m・7m・10mなど豊富にあります。
また、爪に磁石がついている物や落下防止用のベルトホルダーがついている物など様々な種類があるため、予算と使い勝手に合わせて選ぶことをおすすめします。
カッターや鉛筆は現場作業時によく使用する文房具です。カッターは搬出入の梱包をとく際に、鉛筆は現場の床や壁にメモする際に使用します。
筆記用具はシャープペンシルでも問題ありませんが、その場合は芯の折れにくい0.7mmや1mmのものをおすすめします。
現場では通電していないところを歩く場合も多く、暗闇に遭遇する機会が多々あります。手持ちライトを準備しておくと、歩く部分の明かりが確保できるので躓いたりする心配がありません。
床部分の仕上げが完了した後に現場に訪れる際は必須となります。代わりに上履きでも問題ありませんが、急いでいる際に靴の履き替えは面倒になるので、ポケットに靴カバーを忍ばせておくことをおすすめします。
寸法指示をする際や原価計算をする際に役立つアイテムです。よく暗算する人を見かけますが、暗算だと間違えてしまう可能性が高いので、簡単な計算でもなるべく電卓を使用しましょう。
続いて、体の負担を軽減させる便利アイテムを紹介します。
安全帯が自身の体に合っていないと、安全帯と体が擦れて痛みを生じます。このサポートベルトをすることで、ズレが軽減され体への負担が軽減されるためおすすめです。
冬の建設現場は体の芯から冷えてしまい、つい手がかじかんでしまいます。軍手の下にはめる手袋として電熱式インナー手袋を用意しておくと、指先から凍える心配がなくなります。
現場監督は動いている時間とそうでない時間の両方があります。特に動いていない時の冬場は体が冷えやすくなるので体を温める装備を準備しましょう。
インナーダウンは作業着の下に着られるほど薄いものが多く、腕章や作業着が隠れないので建設現場でもおすすめです。
最後に、作業の効率を上げてくれる便利アイテムを紹介します。
現場での指示出しや指摘箇所の説明のときに使用すると、話題の箇所がわかりやすくなりコミュニケーションが取りやすくなります。
上記で紹介したスケールよりも早く正確に距離を測定できる機械です。操作は簡単なので若手管理者でも問題なく使用できるでしょう。
紙の図面は紛失の恐れがあるため、タブレット端末を使ったデータ管理がおすすめです。
また、ペンシルが付属された端末であれば、PDFに書き込みが可能なので打ち合わせの効率が上がります。
ヘルメットに装着するヘッドライトはペンライトよりも素早く明かりをつけることができます。
また、天井裏など手が自由に使えない場所でも楽に作業ができるので、電気作業の確認時は大活躍します。
基本装備を揃え便利な現場道具を取り入れると、下記のメリットが得られます。
▪ 体の負担を軽減できる
▪ 仕事に対する意識が高まる
▪ 作業員との交流がはかどる
冒頭にも述べた通り、現場監督は体力が命です。知識や経験が合っても体力がなければ現場を先導することはできません。また、様々な管理事項をこなすためには、効率よく物事を進める必要があります。
つまり、現場道具を整えるということは、仕事に対する姿勢の現れであり、現場監督としてのその姿勢は職人さんなど一緒に働く人たちにも見られていると言って良いでしょう。
過剰に揃える必要はありませんが、必要な物を取捨選択して自分の今ある装備を見直してみることをおすすめします。
現場監督は「工程・品質・安全・原価・環境」という建設業者の5大事項の管理を任されている仕事です。だからこそ必要なアイテムは多岐にわたり、これらを駆使することで様々な仕事をこなすことができるのです。
便利な道具を手に入れることは、体の負担を軽減させ、かつ仕事に対する意識を高めるメリットがあります。
体が資本だからこそ、体を労わり無駄な作業を減らす最大の配慮をすべく、便利グッズを使って労力を使わずとも仕事ができるよう環境を整えましょう。